この記事では、妊娠・出産期にある女性労働者の母体保護の仕組みについて、初心者でもインプットしやすいよう、わかりやすく解説しています。
<この記事はこんな方におすすめです>
✅出産を控えた労働者への対応を知っておきたい会社経営者・労務担当者の方
✅これから妊娠・出産を予定している社員の方
✅母体保護の仕組みについて、おさらいしたい方
✅母体保護の仕組みについて、最新情報を知りたい方
はじめに
女性の妊娠・出産は、母体の変化だけでなく、精神的にも大きな負担となり、様々な症状を引き起こす場合があります。
また、出産後は精神疾患が発症しやすい時期とも言われています。
そこで、国は働く女性労働者の母体保護を図るための法律として・・・
- 妊産婦に対する各種就業制限を「労働基準法」
- 母性健康管理措置等を「男女雇用機会均等法」
により定めています。
会社手続き担当者の方はこの内容を、妊娠・出産を控えた社員の方からの質問に備えて、事前にしっかり理解しておかなければなりません。
この記事では、妊娠・出産期にある労働者の母体保護の仕組みについて、初心者でもインプットしやすいよう、できるだけわかりやすく解説していきます。
なお、ここでは、労働基準法等の適用対象外となっている公務員の方は除いて解説していきますのでご了承下さい。
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母体保護のため、法で定める措置
それでは、まず母体保護の仕組みとして、妊娠・出産期にある女性労働者に対して、法律上どのような措置が定められているか、一通り全体像を見ておきましょう。
なお、この記事では、妊娠中の女性と出産後1年を経過しない女性(=産婦)を合わせて「妊産婦」と呼ぶこととします。
【労働基準法で定める6つの「母体保護」措置】
- 軽易業務への転換
- 危険有害業務の就業制限
- 時間外労働制限
- 休日労働・深夜労働制限
- 産前6週(多胎14週)、産後8週間における休業措置(いわゆる産休制度)
- 生理休暇
上記については、企業規模の大小を問わず、全ての事業主が守らなければならないことになっています。
経営者の方、労務担当者の方は、この記事でしっかり確認しておいて下さい。
なお、この記事では、妊娠・出産期を対象として法に定める措置についてのみ解説していきます。
出産後・育児期を対象とした就業制限措置について知りたい方は【ポイントのみ解説】育児中の労働者へ対する6つの就業制限措置 をご参照下さい。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
1)軽易業務への転換
まず最初に、軽易業務への転換措置についてみていきましょう。
労働基準法では、使用者は、妊娠中の女性労働者が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければならない旨、定めています。
この定めは、管理監督者等の労働基準法41条該当者にも適用されます。
ちなみに、この法41条該当者、この後もたびたび出てきますので、ここで簡単に解説しておきます。
労働基準法41条該当者とは・・・
労働条件の決定、その他労務管理につき、経営者と一体的な立場にある管理監督者
林業を除く農水産業従事者
等を指し、
労働時間・休憩・休日の規定が適用されない労働者
のことを言います。
(他にも、監視など断続的労働従事者で労働基準監督署の許可を受けた者も含まれます)
身近なところで言えば、会社役員以外の部長や所長、工場長や店長といった管理監督者のイメージです。
この軽易業務への転換規定は、労働時間・休憩・休日の規定のどれにも当てはまりませんので、管理監督者等41条該当者にも適用されます。
さて、話を元に戻します。
妊娠中の女性から請求があれば、他の軽易な業務に転換させなければならないわけですが、他に軽易な業務が無い小さな会社はどうすればよいのでしょうか?
この場合は・・・
新たに軽易な業務を創設してまで転換する必要はない
とされています。
ただし、
医師・助産師の指導を背景とした請求である場合には、そのままというわけにはいきません。
この場合には、軽易な業務への転換に代わるものとして・・・
- 作業量の縮減
- 就労時間の短縮
- 休業
等の措置を行い、医師または助産師の指導内容を満たすようにしなければなりません。
この点は、後ほど母性健康管理措置のところで解説します。
2)危険有害業務の就業制限
次に、危険有害業務の就業制限について見ていきましょう。
労働基準法では、使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(妊産婦)を・・・
- a. 重量物を取り扱う業務
- b. 有害ガスが発散する場所における業務
- c. その他妊産婦の妊娠、出産、(子の)哺育等に有害な業務
に就かせてはならないことを定めています。
なお、上記aおよびbの業務については、妊産婦か否かに関わらず、すべての女性労働者に対して禁止されています。
禁止している業務の内容は「女性労働基準規則」に定められていますが、かなり細かく専門的な内容となっているため、ここではaの重量物取扱い以外については説明しません。
男性と女性では、基本的に体の構造が異なります。
こと、妊産婦については、胎児への影響や、産後であっても授乳への影響が考えられ、精神的負担への配慮も欠かせません。
よって、まず、女性労働者とりわけ妊産婦である労働者の方に対しては、日頃から、良識の範囲でリスクが考えられる業務をさせないよう配慮しましょう。
そのうえで、特殊業務や危険を伴う業務など、させてよいか判断に迷う場合があれば、詳細を必ず確認するようにしましょう。
詳細な内容を確認したい方は、以下の厚生労働省e-Gov法令サイトをご参照下さい。↓
リンクを貼らせていただきます。
さて、上記bの有害ガスについては、あまり主観が入る余地は無さそうですが、aの重量物については、明確な基準を確認しておいたほうがよさそうです。
重量物取扱い業務の制限について
重量物の基準については・・・
- 16歳未満の女性は、断続作業12㎏・継続作業8㎏
- 16歳以上18歳未満の女性は、断続作業25㎏・継続作業15㎏
- 18歳以上の女性の場合は、断続作業30㎏・継続作業20㎏
となっています。
なお、この制限基準は、すべての女性労働者を対象に定められています。
再確認しておきましょう。
3)時間外労働制限
さて続いては、妊産婦の時間外労働制限(いわゆる残業制限)についてみていきます。
労働基準法では、
妊娠中の女性や産後1年を経過しない女性が請求した場合は、
1週40時間、1日8時間の範囲内で就労させなければならない
と定めています。
つまり、ここでいう時間外労働とは・・・
個々の会社が定める「所定労働時間」に対する所定時間外労働ではなく・・・
労働基準法で定める「法定労働時間」に対する法定時間外労働
となります。
つまり、妊産婦である労働者から、請求があった場合は、法定労働時間を超える残業をさせてはならないということです。
ただし、妊産婦の方が管理監督者等の労働基準法41条該当者の場合は、労働時間・休憩・休日の規定が適用されないため、この制限の対象外となります。
ここでの法41条該当者の扱いについては、「妊産婦であっても管理監督者等はこの制限を請求できない」というよりは、「そもそも残業を指示される立場にない」と解釈したほうがよいでしょう。
あと、もう一つ確認しておかなければならないことがあります。
それは、変形労働時間制を採用している会社の場合です。
変形労働時間制とは、簡単に言うと、1年、1カ月、1週間のいずれかの単位で、1週あたり平均の労働時間が40時間を超えなければ、1日8時間を超えて労働させても、残業とみなさない制度です。
ここで気をつけておかなければならないのは、この取り決めが労使間で協定されていても、妊産婦から法定時間外労働免除の請求があった場合には、1日8時間を超えて働かせてはならないということです。
4)休日労働・深夜労働制限
次は、妊産婦の休日労働・深夜労働制限についてです。
労働基準法では、妊娠中の女性、産後1年を経過しない女性が請求した場合、
休日労働、深夜労働をさせてはならない
ことになっています。
なお、ここで注意しておかなければならないのは、管理監督者等の法41条該当者についてです。
労働基準法41条該当者については・・・
休日労働の規定は適用されませんが、
深夜労働制限の規定は適用されます。
法41条該当者は、労働時間・休憩・休日の規定が適用されないことになっていましたね。
ですので、休日労働については制限されません。
対して、深夜労働制限の規定については、法41条対象者であっても制限対象となりますので注意して下さい。
この規定も、労働時間に関することなので、適用されないのではないか?と思われるかもしれませんが、ここで言う労働時間の規定とは、その上限に関するものであり、働く時間帯についての規定は含めないと理解しておくと分かりやすいと思います。
5)産前6週間(多胎14週間)、産後8週間における休業措置(産前産後休業制度)
さて最後は、産前6週間(多胎14週間)、産後8週間における休業措置についてです。
この措置は、労働基準法に産前産後休業(産休)として規定されているものです。
産前期間の就業制限
産前6週間(双子以上の多胎妊娠の場合は、産前14週間)は、本人から請求がある場合、就業させてはならない
と定められています。
ここでのポイントは、「本人から請求がある場合」について定められている点です。
ところで、出産日当日は、産前・産後のどちらに含まれるかご存じでしょうか?
答えは、産前に含まれる
です。
つまり、本人から請求がなければ、規定上は出産日当日まで働くことも可能ということです。
出産後の就業制限
対して、
出産日の翌日を含め8週間は、原則就業させてはならない
と定められています。
産前期間の就業制限は、本人から請求があった場合に限定されていましたが、出産後の就業制限は、原則的に就業禁止の措置がとられていることがポイントです。
ただし、以下の3点を満たす場合については、復職させてもよいことになっています。
- 出産した女性本人が就業を希望していること
- 出産日の翌日を含め、6週間が経過していること
- 医師より、就業させても差し支えない旨の証明が出された業務に従事すること
これらの規定は管理監督者等の法41条該当者にも適用されますのでご注意下さい。
なお、産前産後休業に関する情報について知りたい方は、以下の記事をご参照下さい。↓
産休とは?取得要件・スケジュール・育休との違いの他、産休中の手当・社保免除等わかりやすく解説!
6)生理休暇
さて、妊産婦についての就業制限からは少し外れますが、ここで生理休暇についても触れておきます。
労働基準法では・・・
生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合は、
その者を生理日に就業させてはならない
と規定しています。
この規定は、どのような種類の業務に従事しているかに関係なく適用されます。
また、日数について、何日まで休めるかの規定はありません。
理由は、生理については症状や期間が人や状況により千差万別であり、一概に基準を定めることが困難だからです。
なお、生理休暇は・・・
1日単位でも、半日や、時間単位でも請求があれば許可が必要
となります。
ただし、生理休暇中の賃金を有給とするか無給とするかは、会社が独自に取り決めすることになっています。
欠勤扱いとすることも可能です。
なお、この規定は、管理監督者等の法41条該当者にも適用されます。
さて、ここまでは、労働基準法に定める就業制限措置について解説してきました。
続いては、男女雇用機会均等法に定める母性健康管理措置を中心に解説していきます。
母性健康管理措置の内容
労働基準法に定める母体保護措置は、妊婦である労働者からの請求に応じ、業務負担の軽減を図り、母体および胎児の安全を確保する措置が中心となっています。
対して、男女雇用機会均等法に定める措置は、妊産婦である女性労働者が、医師や助産師による指導を適切に受けられるようにし、また、その指導内容が職場においても確実に守られるようにするための母性健康管理措置が中心となっています。
(母性健康管理措置の対象期間は、妊娠・出産期のみならず、産後1年間も含みます)
また、上記が円滑に実施されるようにするため、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止措置についても定めています。
それでは、母性健康管理措置について、
- 保険指導又は健康診査を受けるための時間を確保するための措置
- 医師・助産師の指導事項を守ることができるようにするための措置
- 母性健康管理指導事項連絡カード(母健カード)
の3つ分けて解説していきましょう。
1)保健指導又は健康診査を受けるための時間を確保するための措置
医師または助産師による保健指導又は健康診査を受診するためには、働く妊産婦の方本人が、まず必要な時間を確保できなければなりません。
仕事中、検診へ行く時間を確保するのは大変ですよね。
そこで、男女雇用機会均等法では・・・
事業主は妊娠中および産後1年以内の女性労働者(妊産婦)から申し出があった場合、
検診へ行くために必要となる時間を確保しなければならない
と規定しています。
この時間は、医師・助産師が指定した診察時間が勤務時間中の場合は、勤務時間の中から確保する必要があります。
また、
- 医療機関等での待ち時間
- 行き帰りの時間
も全て含めて確保しなければなりません。
保険指導又は健康診査を受診するために確保しなければならない回数
少しややこしくなりますが、男女雇用機会均等法では・・・
保健指導又は健康診査を受診するために確保しなければならない回数
についても、以下のとおり細かく規定しています。
その回数は・・・
- 妊娠23週までは4週間に1回
- 妊娠24週から35週までは2週間に1回
- 妊娠36週以後出産までは1週間に1回(医師等から別途指示ある場合はその指示に従う)
- 出産後1年以内は医師等の指示に従う
と、なっています。
なかなか細かく覚えられませんが、会社担当者の方は、出産が近づくにつれ、その頻度が1週間に1回+αまで増えることを頭に入れて、業務の調整等を考えておきましょう。
また、医師等が指定した診察日を事業主の都合で変更させることは、原則できませんので注意して下さい。
2)医師等からの指導事項を守ることができるようにするための措置
さて次に、医師又は助産師からの指導事項を守ることができるようにするための措置について解説します。
妊産婦である労働者の方が、医師又は助産師から指導を受けた場合、使用者は、その指導内容に従うことができるようにするため、必要な措置をとらなければなりません。
具体的な措置の内容は以下のとおりとなります。
妊娠中の通勤緩和措置
妊娠中の休憩に関する措置
妊娠または出産後の症状等に関する措置
では、1つずつ見ていきましょう。
妊娠中の通勤緩和措置
まずは、妊娠中の通勤緩和措置についてです。
- 通勤ラッシュ時間帯を避けること
- 混雑の少ない通勤経路や交通手段に変更すること
等により、通勤に伴う体への負担を減らす措置が必要となります。
通勤ラッシュ時間帯を避けるための措置としては、
- 時差出勤を認めること
- フレックスタイム制度を適用すること
等が考えられます。
妊娠中の休憩に関する措置
次に、妊娠中の休憩に関する措置についてです。
医師または助産師から指導を受けた場合には、
休憩回数を増やしたり、休憩時間を延長したりする等の措置
が必要となります。
妊娠中又は出産後の症状に対応する措置
そして3つ目は、妊娠中又は出産後の症状に対応する措置についてです。
医師または助産師から指導を受けた場合には・・・
- 妊婦本人や胎児への負担が大きい作業内容の見直し
- 勤務時間の短縮や休業
- 作業環境の変更
など、状況に応じて業務内容の見直しを行う必要があります。
なお、これらの措置は、労働時間・休憩・休日の規定が適用されない管理監督者等、労働基準法41条該当者にも適用しなければなりません。
理由は言うまでもありませんが、この措置は男女雇用機会均等法に定められているものであり、労働基準法の適用有無とは関係なく、全ての妊産婦である労働者に適用されるためです。
ただし、会社代表者や役員(使用人兼務役員は除く)については、そもそも労働者ではありませんので、妊産婦であっても労働基準法、男女雇用機会均等法ともに適用対象外となります。
3)母性健康管理指導事項連絡カード(母健カード)
さて、ここで母性健康管理指導事項連絡カード(母健カード)について触れておきたいと思います。
妊産婦である社員の方がいる会社労務担当者の方は、このカードについては、必ず知っておきたいところです。
このカード書式は厚生労働省が定める全国共通のものであり、簡単に言うと・・・
医師または助産師の指導事項と講ずべき措置の指示内容
が、あらかじめ書式の中にリストアップされており、診察後に医師等が選択事項に〇をすることで、診断書の発行を求めずとも、指導事項や職場の事業主が講ずべき措置の内容が明確に伝わるようになっています。
もちろん、医師等が、選択項目以外の指導事項や措置内容を記入する欄も設けられています。
いわば、このカードは、妊産婦である労働者の方本人を介して、かかりつけの医師・助産師と勤務先の事業主や労務担当者および上司をつなぐタスキの役割を果たすものとなっています。
具体的な書式については以下の厚生労働省ホームページをご参照下さい。↓
リンクを貼らせていただきます。
妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止措置
それでは最後に、妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの禁止措置について見ていきましょう。
男女雇用機会均等法では、妊産婦である女性労働者の方が、同法に定める母性健康管理措置や、労働基準法に定める母性保護措置を受けたこと等を理由に、解雇その他不利益取扱いをしてはならない旨を定めています。
なお、不利益取扱いの禁止対象となる理由と、不利益な取扱いと考えられる例については、以下の通り厚生労働省令で定められています。
事業主の方、会社労務担当者の方は、必ず一通り目を通しておきましょう。
(以下、女性にやさしい職場づくりナビより引用させていただきます)
不利益取扱いの禁止対象となる理由
妊娠したこと
出産したこと
妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(母性健康管理措置)を求め、又は当該措置を受けたこと
坑内業務の就業制限若しくは危険有害業務の就業制限の規定により業務に就くことができないこと、坑内業務に従事しない旨の申出若しくは就業制限の業務に従事しない旨の申出をしたこと又はこれらの業務に従事しなかったこと
産前休業を請求し、若しくは産前休業をしたこと又は産後の就業制限の規定により就業できず、若しくは産後休業をしたこと
軽易な業務への転換を請求し、又は軽易な業務に転換したこと
事業場において変形労働時間制がとられる場合において1週間又は1日について法定労働時間を超える時間について労働しないことを請求したこと、時間外若しくは休日について労働しないことを請求したこと、深夜業をしないことを請求したこと又はこれらの労働をしなかったこと
育児時間の請求をし、又は育児時間を取得したこと
妊娠又は出産に起因する症状※により労務の提供ができないこと若しくはできなかったこと又は労働能率が低下したこと
※「妊娠又は出産に起因する症状」とは、つわり、妊娠悪阻、切迫流産、出産後の回復不全等、妊娠又は出産をしたことに起因して妊産婦に生じる症状をいいます。
引用元:妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(女性にやさしい職場づくりナビ)
不利益な取扱いと考えられる例
解雇すること
期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること
退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと
降格させること
就業環境を害すること
不利益な自宅待機を命ずること
減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと
不利益な配置の変更を行うこと
派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと
妊娠中・産後1年以内の解雇は、「妊娠・出産・産前産後休業を取得したこと等による解雇でないこと」を事業主が証明しない限り無効となります。
引用元:妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(女性にやさしい職場づくりナビ)
マタニティハラスメントについて
妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの禁止事項については、男女雇用機会均等法に定める母性健康管理措置や、労働基準法に定める母性保護措置が確実に実施されることを目的に定められています。
対して、マタニティハラスメント(マタハラ)とは、妊産婦である女性労働者が、妊娠・出産・育児に関連し、職場の同僚や上司等から嫌がらせなどを受け、就業環境を害されることを言います。
よって、マタハラについては、禁止事項をあらかじめ限定しておくようなものではありません。
事業主や労務担当者のみならず、全社員一丸となってマタハラが起こらない社風づくりを行っていくことが重要です。
まとめ
今回は、 妊娠・出産期にある女性労働者の母体保護の仕組みについてに解説してきました。
この仕組みは、企業規模の大小を問わず、全ての事業主の方が守らなければならないルールとなっています。
とくに労務担当者の方は、妊娠・出産を控えた女性社員が生じた際には、しっかり対応できるようにしておかなければなりません。
対応が必要となった際には、この記事の必要な箇所を再読し、ぜひ活用していただければと思います。
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